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0-9ショートストーリー

幽霊歌〜ghost song〜

私じゃない私の記憶が 心の更に奥底から 僅かに垣間見える瞬間がある。 それは日の出を迎える寸前の 世界で最も暗黒に染められた時刻。 チベットの僻地にある小さな小さな教会の地下に眠る 大きな大きな図書館の膨大な本棚の中でも 最も...
詩集ー未公開のアセンションたちー

105.眠れない夜に(詩)

白いシーツで裸体を隠して 埋もれ掛け 死に掛け 今何時何分? 神経が研ぎ澄まされるほど 漠然とした何かに怯え始め 眠れない夜に響く秒針は 確実に訪れる命の終わりへと誘う様で 眠れない夜に響く感性と それに釣られた煩悩が漠然とし...
詩集ー未公開のアセンションたちー

104.埋葬心理(詩)

本当はそんなに愛されていないとか… 実はそれくらいが丁度よかったりして… 永遠がこの世に存在しないのは 本当は誰も必要としないから それを求める人間は必要なのか この世で最も美しい行為が死だとしたら 誰も逃れられようもない話さ ...
詩集ー未公開のアセンションたちー

103.魔王の条件(詩)

ほら道路に転がっている猫の死骸のように 僕の心もノストラジックな丑三つ時 曖昧と死神に愛された悲しい詩をどうかお聞きください あのね。もしもの話。 君が僕だったら それはもはや他人じゃなくなる 僕が君だったら きっと君を嫌いになっ...
詩集ー未公開のアセンションたちー

102.僕を葬る旅(詩)

あの頃の僕が 今の僕を追い越せないと泣いてる それを見ている明日の僕はどう思っているかな? カレンダーを捲る度 いつも思う事がある 僕はあと何枚のカレンダーを捲る権利があるのかって 最後の月を迎えた頃に「幸せだった」と笑えるかな? ...
詩集ー未公開のアセンションたちー

101.北の果てに女神を見た(詩)

目を閉じて耳を塞いだら 何を感じられるだろうか 今の俺は 束の間の休日の昼下がり 外で遊ぶ子供の声に 僅かな安らぎ見つけた時 不意に思い出したこと 悲しいのはこのまま誰も愛せない自分で終えること 切ないのは初恋の感覚を忘れ去っ...
詩集ー未公開のアセンションたちー

100.美化または追憶(詩)

彼女は私にひとつだけ願いを残した 「私のことずっと忘れないでほしい」と あの夏から随分と遠くまできた 今になってその意味の残酷さを思い知る 私の心も随分と遠くにきた 今ある頭の中の妄想は どれだけ正確なのか 楽しかった思い出だ...
詩集ー未公開のアセンションたちー

99.脳の地図帳(詩)

「ねぇ、死んだ猫は猫と言わないんだ それは猫の形をした肉の塊なんだって」 また一つ俺の中に新しく記憶が出来た この記憶は大切な所に保存しておこう だって大切だって思った思い出はいつだって 心に切なさしか与えてくれないんだ みんな...
詩集ー未公開のアセンションたちー

98.彼岸花(詩)

君は向日葵のような眼差しだった アイツの事ずっと見守っていた 秘めた嫉妬と苛立ち抑えるように 僕はいつもガムを噛んでいた 誰にも知られないようにしていた 君への思いは結局誰にもバレないまま・・・ あの日燃やした君への手紙は 彼...
詩集ー未公開のアセンションたちー

97.誰も知らない革命時代(詩)

父は革命時代に銃声の前で倒れた 僕はその事実を誇りに生きていたけど 世間ではそんな誇りを暇潰しの話題にさらされるだけ 今日起きた事件だとか事故だとかと同じ扱いさ それを悟った瞬間に僕は死んだ そして新しい道徳を手に入れたけど 僕...
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