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85.人工少女(詩)

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苦しさから逃れるために
性格と引き換えにして
人格を消去された少女
あの日から今まで
死んだように生きる日々・・・

「もう人間じゃないの?」
笑いながら尋ねてくる
でもその笑みに温もりは無かった

憂鬱もなければ、快楽もないや
明日を取り除いた人間に
いったい何が残るだろう

魂のロボトミー ラベンダー香る窓の無い部屋の
涙のロボトミー 端っこでただ経ち尽している

人工少女にはもう名前はない・・・
未来もない・・・ 身内も居ない・・・
年齢もない・・・ 永遠も・・・ ない

心のロボトミー 僕から今与えられるモノって何?
命のロボトミー 偽った平和の中でも争いの日々
過ちを犯しました・・・ 心を亡くしました・・・
人間同士で繰り返す、もう何回目?

せめて、僕だけは忘れないでいよう
それが今出来る僕の精一杯

ごめんね・・・ 無力で・・・ ごめんね・・・
ごめんね・・・ 同じ人間なのに・・・
せめて魂だけは 君のままで居て・・・

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