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64.鬼を愛する人(詩)

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夏の有力者が僕に教えてくれた
「そんなに都合が悪ければ
全て鬼のせいにすれば良い」

そんな偏見を逆手に取って 僕も彼をソレと呼んだ
どんよりした曇り空の下で 生暖かい風に吹かれて

過去を愛する人は上目の優しさ好き
僕の過去さえ食べようとする
明日を愛する人は大切な思い出さえ
始めから無かったことにしようとする
いつか言ってみたい「言葉なんてもう要らない」

冬の権力者が僕に問い掛けてきた
「優越感に浸りたいのは
人間として生まれた特権なの?」

不幸な人間なんて居ない 他人を不幸だと思った瞬間に
初めて不幸な人間が生まれる 人間が人間を不幸にしている

今を愛する人は無心と忘却が好き
僕の存在さえ否定しようとする
欲を愛する人は未来に侵されてる
人間を始めた時点で決まっていた
いつか行ってみたい「天国より優しい地獄」

遺伝子を残したがるのが 人間として生まれた本能なら
誰も責められないね この欲望もあの犯罪も…

人を愛する人は心が弱い人
それでも構わないと涙流す
時を愛する人は心が脆い人
それでも逆らうことも出来ず
鬼を愛する人は…

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