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60.リトルマーメイドの交差点(詩)

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待ち合わせはいつも
あの交差点と決めていた
真夏の一時と決めてた人は
まるで太陽を味方にしてるみたい

寂しさに負けた俺の心と身体を
受け入れてくれた美しい貴女の欠片に
許される時間だけ身を委ねていた
熱帯夜と全て隠してくれる闇に
落ちて行く事は分かっていたけど
それでもいいと言い聞かせていた
あの夏・・・

間違っていると知れど
いつか終わる事分かっていたけど
いつの間にか一つ季節を通り過ぎていたのは
きっと・・・

 朝のリトルマーメイドの交差点には
慌しい人々の波が
社会が笑っているように
太陽には適わないと

 夜のリトルマーメイドの交差点には
点滅信号と貴女の姿が
ここを通るたびに思い出すけど
あの頃の二人の笑顔だけが思い出せない

ひと夏の恋と決めていたこと
暗黙の了解にも似た貴女の笑顔だったのかな?・・・

国道を挟んだ複雑なこの交差点は
まるで大人になるための試練みたいだった
その複雑さが好きだったマーメイドの様に
最後は優しくも痛々しいキスで・・・
さよなら・・・

 朝のリトルマーメイドの交差点には
昨日と同じ人々の波が
社会が笑っているように
毎日が同じ繰り返しと
夜のリトルマーメイドの交差点には
点滅信号と貴女の姿が
ここを通るたびに思い出すけど
やっぱりあの頃の笑顔だけが見当たらないまま

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