168.信念の形

年を重ねれば重ねる程、変化する事ばかりだ
疲れが取れにくかったり、
何かと臆病になったり、
昔、誰かが悪い呪文のように、
愚痴を零していた言葉たちが
そのまま僕の身体で実行されているようだ。

極めて常識的な信念は
一般的な形と成して、この社会に馴染むけど、
極めて異端な信念は
どこにも馴染まずに、この社会から弾かれる。

若い頃は異端に憧れて、
信念の無い信念を描いては
見えない社会に打ち砕かれて、
気が付けば、周りと同じ形になっていたね。

それが悔しいとか、悲しいとも思わず
ただ当たり前の事だと受け入れているうちに
あっという間に遠い場所まで飛ばされた。

年を重ねれば重ねる程、変化する事ばかりだ
記憶力が低下したり、
体力が衰え始めたり、
昔、誰かが悪い呪文のように、
愚痴を零していた言葉たちが
そのまま僕の身体で実行されているようだ。

このままでは、何も残せず終わってしまう。
このままでは、何も始まらず終わってしまう。
そう焦る度に信念の形を確認するけど、
僕の信念を僕自身には見えない。

だから、諦めるのか？
だから、藻掻き苦しむのか？

その違いが栄光と挫折の違いだと
きっと誰もが知っているはずなのに
それでも、栄光を掴める者が少ないのは
信念の形を形成する難しさを物語っているのだろう。

僕だってそうだよ
君だってそうだろ？

だから、今日も藻掻いているだけ。。