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79.香り(詩)

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土の香り 草の香り 風の香り 月の香り
水の香り 空の香り 君の香り 命の香り

思い出探しの道徳心 はしゃぎ疲れた祭りの後に
漂う性感帯を掻き立てる香り

無意識のうちに探してしまう 過去のトラウマにまつわる香り
思い出はいつも雨の香り 切ない香りは恋の香り

僕らはいつだって何かに怯えながら
何かを殺して今を生き延びてるね
その都度に大切な何かを失いながら

僕らはいつか死ぬ事に怯えながら
何かを残そうと涙を流すけどね
その行為は何も香らない 自覚さえ香らない
その時に漂う宇宙の香りは 僕らには感じられない

哀愁漂う仕草で 近づいてきたのは
森の熊でも狼でも無く
嘘で固めた素晴らしき愛の香りだった

気が付けば周囲に漂う この香りは死の香り
歴史の香りに 何を混ぜ込もうか

僕らはいつだって何かに後悔しながら
曖昧の板挟みで思うように動けなくて
見えない未来は悪臭に満ち溢れて

僕らはいつか生まれ変われる
強く願うほど遠ざかってしまう
まるで人間の進化みたいだ
その香りはその時のお楽しみ…

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