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47.お母さんへ

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子供の頃、うまく話せなくて
母さんに連れられて通った
街の真ん中にあるカナリヤ教室
「どうして、僕だけ普通に話せないの?」
残酷な質問を無邪気にしたっけ

周りの大人達に「ユニークな子」と言われてた
暗い子供だと思われるのが恐かったから
本当はネガティブに好かれた少年時代
あの先生は今でも誰かに教えてるのかな

あの頃確かに覚えているのは「カタツムリの生命力」
何時間掛けても確実に前に進んで行った事と
人生もそんなモンだと言った先生の悲しい顔

生まれつき右耳が聞こえなかった僕は
少し誇らしげだったんだ
左耳から入ってくるものが全て真実と信じてたから
母さんは「ゴメンね」と寂しい顔して
僕は何も言えなかったけど、本当はね
母さんが寂しい顔する方が僕は悲しかったんだ

少し影は持ったけど ここまでどうにか育ちました
これからの方が長いこと知ってるけど
あなたが思うほど不自由なく生きてます
今でもあの時の事をたまに夢で見ます
寝る時は今でも左を向いています
何も聞こえなくなって、それが便利なんだよって
誰かに分かるかな・・・

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