まだ愛が愛だと世間から認識されていた頃、
私は椿で真冬の灰色に染まった空をただ見上げていた。
そこに通りかかった私よりも若い老夫婦が話し掛けてきた。
「なんて醜い花でしょう。燃やしてあげたいわ」
人間の言葉を知らなかった私は、
それを誉め言葉と捉えて、
ただ朽ちるまで咲き誇る事しか出来なかった。
今になって思えば、そんなセピア色に殴られた
写真のような日々が最も幸せだったのかもしれない。
今は愛が欲と認識されて随分と時間を無駄に殺されてしまった。
今年2002年から、ちょっと未来の話。
マギーQと出会う、ちょっと前の話。

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