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51.せめて人間らしく(詩)

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優しさと憎しみとが寄り添った
明日が僕に手を差し伸べてる
僕はその手を咄嗟に払い除けた
別に今が不満なわけじゃない
だけど満足もしてない
そんな消化不良な毎日が怖い

その正体は自分の証明がどこにも無いから
死ぬことの本当の理由が欲しくて…

脂の塊みたいな夢ばかり食べてきたから
胃もたれをした毎日が僕を食べようとしてる
でもそれを否定すれば明日が嘘になるから
今夜はせめて人間らしく死のうと思う

今まで吐いた言葉について考えてみた
「今までの後悔は幸せに変えれば良い」
あの頃は良かれと吐いたものの
今思えば軽率だと思い知ったのが唯一の救い

生まれ持った欲望はモザイクでも隠せないけど
生まれてから培った真心は直ぐに枯れるもの

今まで吐いた言葉について考えてみた
「完璧なのはこの身体の仕組みだけみたい」
感情も思い出も未完成だから
今夜はせめて人間らしく泣こうと思う

「法律なんて人間が作った基準なのさ」
「だっから、あの人だって犠牲者だ」って、笑って泣いた
「時間さえも人間が作った戒めのさ」
「だったら、僕だって存在を越える」って、笑って泣いた

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