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91.太陽の温もりは本物(詩)

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海岸沿いの駐車場で眺めてる
海に飲み込まれている途中の太陽と
全て真っ赤に染まった君の横顔
あの夏は確かに君が居た

潮風とその時の匂いに
君の笑顔がそっと添えられて
想い出は想像を遥かに越え
脳の中の脳に焼き付いてる

 君が言い残した「太陽の温もりが好き」
真冬の今になってその理由を思い知った
自分の視野の狭さにも今思い知った

助手席には君しか座ってなかった
あの夏から一番遠い季節になっても
左側の違和感がまだ消えなくて

二人でよく車走らせ登ったあの峠は
「誰よりも太陽に近づける」と
無邪気に笑った過去形に悔しさを覚えてた

 君が言い残した「太陽の温もりは本物」
例え世界が破滅しても変わらないと
悲しげに僕に寄り添い永遠の尊さを教えてくれた

 君が言い残した「真冬の太陽も同じだよ」
人は弱いから忘れてしまうこともあると
僕を試すように切なく囁いた君を忘れない

君の匂いは太陽と同じ匂いがした
それが好きで癒されてた ずっと
朝に目が覚めて晴れいる時くらいの
幸せをもらってた至福の一時を

 君に言えなかった「ありがとう」

僕はいつも忘れない「太陽の温もりは本物」

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